【後編】大学生がインターン卒業! 大学生が感じた商店街の魅力とは?

インターンとして半年関わってもらった大学生の濱田龍哉君。卒業するにあたり感想を寄せてもらいました。

商店街でのイベント「つくまる」に一緒に関わってもらった経緯はこちらに掲載しています。

今回は後半!後半は商店街についてどう見えているのか、聞いてみました。

Q.商店街についてどう感じましたか? 

    私の目線から見える商店街の良い点は、「温かさ」です。

現代に生きる人々、特に都会で過ごす人たちは、現代社会にどこか冷たさを感じているのではないかと私は考えています。この冷たさは、人との関係性が希薄になっているということです。

一昔前には、隣近所に住んでいる人との挨拶は当然のことながら、調味料の貸し借りまであったと聞きます。さらに、家路に向かう最中にふらっと立ち寄った商店街で、お店の方々や店先のお客さんたちとの会話に花が咲き、気づいたら数時間も商店街を散策してしまっていたこともあるという話も耳にしたことがあります。

このような出来事は、現代に生きる私にはどこか昔話のようにも聞こえます。

当然ことながら、スマホのような最先端技術があることにより私たちの生活水準は格段に上がりました。それと同時に科学技術の発展と共に衰退の一途をたどっているものもあると感じています。それが、人の「温かさ」です。

スマホがあることにより日本のどこにいても、ましてや、世界中のどこにいたとしてもインターネットを介して誰かと繋がることは可能です。しかし、人の「温かさ」というものは、相手と顔を合わせて目を見ながら話すことにより、相手の表情や口調などから伝わってくるものです。 

今の世の中で生活していて、この「温かさ」を感じる機会はありません。

ですが、つくの商店街にはこの「温かさ」で溢れていると私は感じます。もしかしたら、それは昔懐かしい建物から感じるものかもしれません。

しかし、私は、建物だけではなく、この商店街で生活している人たちから「温かさ」を感じました。

日用品や食料品を買いに来ているだけなのに、いつの間にか近所にできた新しいおいしいご飯屋さんの話をしていたり、さっと通りがかったつもりが、気づいたらそこにいたお客さんたちに子育ての悩みを打ち明けていたりする。

このようなどこか懐かしく、現代を生きる私たちが忘れかけている人の「温かさ」を頭ではなく「心」で受け取ることができる点が、つくの商店街の良さだと私は感じました。

いやあー、商店街関係者の皆さん、嬉しい言葉をいただきました!

「商店街は温かさを心で受け取ることができる場所」。。。素敵な言葉ですね!!

商店街で意図せず人と人との会話が生まれている様子、スマホで要件を済ませるのではなく、対面で生まれる一見無駄なことが、「温かい」という印象になるのですね。

商店街はしょせん、ノスタルジーではないかと思うときもあるのですが、人とのつながりや雑談のできる温かさという価値は、二周りもちがう大学生も感じるのだなと、ほっとしました。

私たちも、地域での活動を持続させていくには、これからの若い世代の人たちとの接点を増やし、活動を次世代につなげていくことが不可欠だと感じています。必ずしも問題意識は同じではないかもしれませんが、次の世代にバトンを渡していく意識をより強く持ちたいです。



 なお「つくまる」は次回は10月7日(土)を予定しています

【前編】大学生がインターン卒業!大学生が気づいた「人との繋がり」

昨年の秋から弊社のインターンとして入ってくれた大学生。大学で心理学を学ぶ濱田龍哉君です。

親ほどの年齢のおばさん・おじさん達に混じって、主に商店街で行っているイベント「つくまる」に関わってもらいました。

つくまるは弊社がレアールつくの商店街で行っているスタンプラリーとマルシェのイベントです。くしくも、つくのつくるのマルシェ から「つくまる」へリニューアルする時期。リニューアルにあたって、デザイナーとの打ち合わせに同席したり、マルシェ出店者とのワークショップの司会をしたり、と大事な局面で活躍してもらいました。物おじせず、自分の意見をいう彼は大人びて感じました。

左が濱田龍哉君。



8ヶ月ほど経て、次の進路にむけてインターンを卒業することになりました。卒業をきっかけに、これまでの活動をふりかえってもらいました。

まちづくりや商店街に関わるのは始めての彼に、活動はどういうふうに映ったのか。何を感じ取ったのか。

許可をえて、全文を公開します!

①インターンとして関わった感想

 インターンシップとして「つくまる」というイベントに運営スタッフとして携わることでひとりの「大人」として一歩成長できたのではないか、感じています。
 このインターンシップに参加させてもらうまでは、同年代の人たちと他愛もない話をするだけのありふれた日常を過ごしていました。

 しかし、つくまるスタッフの一員になってからは、そんな何の変哲もない平坦な道のりが一変しました。様々なバックグラウンドを持ち、多種多様な志と想いを胸にイベントに参加している方々と直接お話させていただくという機会が私の日常に彩りを与えてくれました。

 つくまるには、自分の作っているお菓子を通じてお客様に笑顔を届けたいと数日前から仕込み作業に没頭している方や、自分がイベントに参加することによって少しでも多くの人に生産者の方々のことを知ってもらい、生産者の方々に還元したいという想いを抱きながら参加している方など、「人」と「人」との「繋がり」を大事にする方がとても多くいらっしゃいました。

 私は、この「繋がり」がイベントの醍醐味であり、存在意義なのではないか、と考えました。 
 
 イベントにマルシェ出店者として参加すればお客さんとの「繋がり」だけではなく、出店者さん同士においても「繋がり」が生まれることがあります。この「繋がり」によって、新たなイベントへの参加や売上向上に繋がったという話もありました。

 インターンシップに参加するまでの私は、人との繋がりの重要性に気づけていませんでした。振り返ってみるとこのインターンシップへの参加も人との「繋がり」から生まれています。
 
 「繋がり」は当たり前に生じるものではなく、人の想いから生じる尊く意義深いものだとインターンシップを通して痛感しました。

 なるほど〜、人との繋がりが大事だという気づきがあったのですね!

 確かに、地域でのマルシェは、人とのつながりを深める場であると同時に、出店という形で新たな人とのつながりをつくる場でもあります。

 その人とのつながりは、自分の商売を広げていくための助けになってくれたり、地域で暮らしていくときの助け合える仲になったり、と、いろいろな意味で財産になっていくものだと思います。

 物の売り買いをきっかけにして人との繋がりを生むことを意図していることに気づいてもらえてよかったです。

 では後半に続きます。後半は「商店街」についてどう思ったのか、聞いてみます。

 なお「つくまる」は次回は10月7日(土)を予定しています。


何のために商店街でマルシェの運営をしているのか。自問自答して今年のマルシェについて考えてみた。

12月末に、これまでやってきた弊社主催の「つくのつくるのマルシェ」について、出店者や関係者約20名くらいと一緒に振り返る機会がありました。これを機に「マルシェ」を今後どうしていくか、改めて考えています。

もともと自分達の売り場として2017年に始めた「たなぐらマルシェ」。2020年に他の出店者さんも一緒にやるようになり「つくのつくるのマルシェ」へ。出店者数も1から16へ増え地域密着のイベントになりました。この間、たくさんの出店者さんや運営ホランティアの方とも出会い、学校の先生や子供たちも日常的に関わってくれるようになりました。


運営上の課題

ただその分の運営上の課題も増えてきました。楽しいからいい、赤字にならなければいい、とか、スペースが余っているから隣で出店してよ、といったノリが通用しない段階になってきました。

現在の主な課題はお客様の集客と運営面の負担です。

ここ数年は出店者を増やしてきた時期でした。たくさんの方に応援してもらったけれど、受けいれるのに一生懸命で、お客さん目線で考えることは足りてなかったかなと。チラシも配っているけど惰性もあり。正直、出店料も安いので集客はそんなに頑張らなくてもいいかなーという気持ちもありました。その結果、集客が少ない問題と、初めての人によく伝わらないという課題が起きています。

また運営面では補助金を使ってこなかった分、お金の問題がありまして、ある程度利益がでてこないと備品も買えないし担ってくれる人がずっと手弁当になり、結果誰もやってくれない。それから会場が日常の生活の商店街なので制約も多いし、組合さんとの関係もあります。

このように、今の状況下で、改めて「どこまでいつまで何のために続けていくの?」という問題に直面しています!

何のために商店街でのマルシェ運営をするのか

結局、私は何のために商店街でのマルシェ運営にこんなにコミットしているのでしょうか。自問自答です・・・(得意なんだけどねーw)

「何のために商店街でのマルシェ運営をするのか」。改めて考えてみるとこんな感じです。

1.地域の個人商店や商店街に目を向けてほしい。
そういう買い物っていいじゃんという提案をしたい。

2.地域での活動に関わる喜びや楽しさを伝えたい。

3.具体的な人との交わり・関わりを増やしたい。
社会関係資本があると安心して暮らせるという話。


以上の3つです。もちろん今関わっている「つくの商店街」が好きだから、自分の商品を売りたいから、ということもありますが、今回はそれより抽象的に考えてみました。

こうしてまとめてみると、気づきがあります。

一つは伝えたい価値があるからマルシェをやっているということ。もう一つは伝えたい内容は本来マルシェの枠内にとどまらないので、マルシェだけにこだわる必要もないということです。

改めて考えると、伝えたいものが伝わるように少し論理的・合理的に考えていく必要がありますね。イベントがあると目の前のことを回していくことに追われて、チグハグになるなと思いました。

そして、唐突ですが、今年からマルシェで「食育」をやりたいと思います。

なぜなら、弊社では「福笑いの食卓」という食品販売も始めており、色々な食べ物に関わるうちに食べ物の背景や生産者のことをもっと丁寧に伝えたいと思うようになりまして、その場としてマルシェを活用できると考えているからです。

従来、地域の個人店の会話には食育の効果があったのかなと思うのです。魚屋で魚を買ったら、魚の種類や調理方法を教えてもらったり最近の漁の様子を教えてもらったりしますよね。ただ買うだけではなく、自然な学びの場でもあったのですよね。

そんなわけで、商店街でのマルシェと食育は親和性がある気がしています。今年はそういうコンテンツを作り込んでいきたいです。唐突に聞こえるかもしれませんが、どうして私が時間を割いてコミットするのか、という点において、もっと私がやりたいことを入れ込んだほうがいい気がしています。

まとめると。。。

・お客さんの視点を意識する。
・必要なものに円滑に回るだけの資金を獲得する。
・伝えたい価値を意識する。
・マルシェという形にこだわりすぎない。
・食育の要素をしこむ。

だいたい以上になります。あとはこれを具体的に落とし込んでいきますよー。
さあ、今年も動き出します!

これまで書いた記事

参考までに、これまでマルシェについて書いた記事を貼っておきます。


●「たなぐらマルシェ」から「つくのつくるのマルシェ」へ。3年間を振り返る。

https://note.com/fukuwarai_ik/n/n3e0d6bce8c40

●つくのつくるのマルシェ」に込められた意味

https://note.com/fukuwarai_ik/n/nd6db4e2399bf

軌道修正のため「ティーリング」を中断します。

5月に「ティーリング」というサービスを作りました。カウンセリングとお茶飲みを掛け合わせた造語です。
「まちづくりや社会貢献のために頑張る人たちにほっと休憩していただくためのメンテナンスタイム」というコンセプトで始めました。

今11月の時点で6件のご相談がありました。内訳としては、地域での活動や事業の相談が5件、新しいプロジェクトのネーミングに関する相談が1件でした。



受けてくれた方々に感謝しております。こういう初期の段階で試していただけるのは本当にありがたいことだと身をもって感じました。

しかし、結論からいうと一旦「ティーリング」を中断します。

なせなら、話を聴く技術がまだまだ未熟であるためです。そしてこのサービスをやる精神的な用意も不十分でした。具体的には話を聞いて疲れてしまったり、その後も考えすぎてしまったりと課題を多く感じました。ゆったりと人の話を聞く環境も作れていません。さらにはお茶を飲むのんびりした雰囲気でやりたかったのに、真剣に話を聞いているうちにお茶が冷めていくのが悲しい・・・・。

そのため一旦軌道修正したくて中断することにしました。気にかけてくださった方、ありがとうございました。

ただ、やったことで得るものが大きく、次へのヒントも掴みました。

一つは、書くことと聞くことを組み合わせるという着想です。ある時、話をお聞きする前にクライアントの書いたものを読ませてもらう機会がありました。読んでから話を聞いたらとてもすんなり話が入ってきました。ですので、次は話をお聞きするだけではなく、その方に書いてもらうということも組み合わせたら良いのではないかと考えています。

二つ目は、一見事業や活動上に起こる課題は、やっている人の内面の状態を深く反映していると気づきました。よくマインドセットといいますね。意識は私たちの行動を支配します。意識のブロックや痛みを乗り越えることはとても時間がかかります。外側のアクションだけを追いかけてもなかなか上手く行かなくて、同時に内面を見つめていく時間を根気強く定期的にもつことが大事だなと痛感しました。

ですので、ティーリングは一旦中断しますが、また改めて思いを形にしたいです。気にかけてくださった方、ありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします。

食べることがもっと好きになる。「福笑いの食卓」始動!

これまでご縁のあった福島の自治体の商品をマルシェで販売してきたのですが、これからは地域を限定しないでご縁のあった商品を販売していきます。そこで改めて食品に関わる際の屋号を「福笑いの食卓」と名づけてロゴマークを作りました。

正直、食品はどこでも買える時代です。ここ10年くらいで素敵なECサイトも増えました。それに食品の小売は一般的に管理が大変。利ざやは少ないです。

だから、わざわざ食品販売をやり続ける理由はなんだろうと自問自答してきました。委託事業として仕事化していれば別なのですが、そうじゃない以上、内側から込み上げる動機がないとやり続けられません。

その動機を考えた結果、結果として以下のような自分の体験を見つめることになりました。


私はもともと食べることが好きではなく無頓着なタイプでした。料理も苦手。食に関わるようになったのは偶然でした。でも仕事として関わるようになり約10年。食べることが何倍も楽しめるようになりました。

その理由は仕事を通じた出会いによってです。周りに料理が上手な方や、美味しいものが好きでたまらないという知り合いが増えました。毎日手を動かし食べものを作る生産者のこだわりや苦労をお聞きし、その土地まで足を運びました。珍しい野菜をあったら買ってきて食べ、郷土料理のレシピを教わったら作ってみました。



こういう出会いが積み重なると、人は変わるのですね。

食べることを好きになるメリットは大きくて一生ものです。食べ物を通して体調管理をしやすくなりました。たくさんのつながりができ、日々楽しく生きていきやすくなりました。

このような体験を振り返りますと、具体的な出会いで人が「食べることが好きになること」は間違いなく価値だと思っています。私は本質的にはそういう出会いをもたらすことをやりたいのです。食品販売は手段の一つです。

だから、このプロジェクトは食べるのが現時点で好きという人よりも、そんなに関心もない人をターゲットにしています。福笑いの食卓を通じて、だんだん元気になっていく。そんなイメージです。そういうターゲットに本当にどうすれば価値を届けられるのか、考え続けていきたいです。

ということで、思い先行で具体的ではありませんが、これからも地道に取り組んでいきたいという意思表明として受け取っていただければ幸いです。

ロゴマーク

■ロゴマークにこめた想い

商品を紹介するだけでなく、このお店を中心にお客さんと生産者と双方向のやりとりができるようなお店にしたいというコンセプトから、 人と人が繋がり、食卓を囲むイメージとして円を中心に、身近な普段の食卓・食事のイメージとして箸をデザインしました。 また、食卓を囲んで笑いあうなどコミュニケーションが発生している様子を、店名の動きと円の周りの線で表現しました。
(デザイン:成川真美)

マルシェの果たす6つの機能

最近周りではあちこちで「マルシェ」が開催されており、弊社も2017年から商店街で「つくのつくるのマルシェ」を開催しています。

マルシェの定義

もともとマルシェはフランス語で市場の意味です。日本では一次産業の生産者が集まるマルシェもあれば、ハンドメイド作家が集まるマルシェもありますし、規模も様々です。

『マルシェのつくり方、使い方』(脇坂真吏著)という本ではマルシェは「コミュニケーション型移動販売業」と定義されていました。販売者が店を持たず、あちこち移動しながらコミュニケーションを中心にしながら販売していくからです。

また別の本では、場所を貸し出すため「不動産業」とも定義されていました。定義ひとつを見てもマルシェは色々な側面があるのだなと思います。

マルシェの6つの機能

さて今回は実践しながら感じるマルシェの6つの機能についてまとめてみたいと思います。

1 販売機能

マルシェでは商品の売り買いが行われます。売りたいものがある人が出店し、買いたいものがある人が集まってくる。市場のような機能があります。

2 居場所機能

定期的に開催する場合には毎回出店する人や、毎回足を運ぶお客さんができてきます。ここにくると知り合いがいて顔を知っていてもらえる、もしくは自分の役割がある。そんな居場所です。

3 交流機能

新しい出店者やお客さんと出会う交流機能があります。出店者さん同士の情報交換もそうですし、ふと居合わせたお客さんで会話が始まることもあります。これは自然発生的にも生まれますが、意識をもったつなぎ役の人がいると出会いはさらに活発化します。

4 インキュベーション機能

事業の創出や創業を支援することをインキュベーションといいます。
マルシェは新しい作り手が初めて商品を売ってみたり、新しい試みをやってみる場所になります。マルシェでは机一本でなんでもできるのが特徴です。

例えば、弊社の開催している「つくのつくるのマルシェ」では、子ども店員やフードロス対策の交換の机、本の交換などの取組が生まれています。

アイデアは色々持ち込まれますが、実現させるには仕込む労力や手間がかかります。

5 担い手の育成機能

「マルシェ」の運営をすることが、街でのイベントの担い手の育成になります。すでに権威化された組織(◯◯連合会・◯◯商店街組合など)がマルシェを開催することは少ないようで、もっと小さな組織やオルタナディブな団体・個人が「マルシェ」を開催する傾向が強いです。マルシェの運営を通して、新しい担い手が街で場をつくり、実践によって人が育つ側面があります。

6 街への集客・活性化機能

街に人を集める機能があります。マルシェをめがけて人が集まってくる。

ディベロッパーやショッピングモールの運営会社がマルシェを開催することも多く、この機能を期待していると言えます。

一時的な賑わいを作るのは比較的簡単にできるかもしれません。ただ「活性化」というと1から5の機能をふまえて、腰を据えて継続して運営しないと効果が出てこないと考えています。

いかがでしたでしょうか。観察しているとそれぞれのマルシェによって機能の強弱が異なっています。販売機能が強いマルシェもあれば、居場所機能が強いマルシェもあります。分析してみると個性がわかって面白いです。

挑戦を応援することについて

今日は応援について考えてみたいと思います。

やってみたいという衝動が好きです。自発的だし純粋だと思うからです。そして衝動をもってやり始める勇気が好きです。私自身もそういう人間でありたいし、人のそういう挑戦を後押ししたいです。

そのためレンタルスペース STARTBASEQは駆け出しの個人や個人事業主は区別して安い値段にしています。ハードルを下げ挑戦を後押ししています。お陰様でこれまで170日を超えたくさんの方に会いました。

しかし数が多くなってくると1つも売れない日や全くお客さんが寄って来ない日があります。出店者さんとの距離が近いので様子がわかってしまうのです。

誰も来ないと私の方が落ち込みます。焦ります。もちろん人がいい感じに集まってくる時は同じくらい嬉しいのですけどね。

毎回一喜一憂していたら苦しくなってきた時期がありました。その苦しさを克服したくて「挑戦を応援するということ」について考えてみるようになりました。

その手がかりとして思いついたのは松岡修造。応援といえば松岡さんです。彼の『応援する力』という本を読んでみました。印象に残った言葉がありました。

応援は「プラスの波動を送ること」という言葉です。プラスの波動。なるほど。

例えば人が来なくて私が焦ったとします。どうしよう、かわいそうだな、心配だと思っている訳です。これはプラスかマイナスか。マイナスです。一緒になって焦っていても出店者への応援にはならないということです。きっと感情移入です。

そう考えてみると、焦る原因はこのスペースは期待はずれだったと思われたくない、もう来てくれないかも、という感情が原因であるとも分析できます。相手の問題と自分の問題を重ねあわせています。

しかし、松岡さんいわく応援はあくまで「プラスの波動を送ること」。

出店者さんが遠くから荷物を運びやってみて今日ここで経験したことに対して、どういう結果であれ、肯定的な気持ちで接することができているか。これを言い聞かせると自分の感情がぐちゃぐちゃ揺らぐことが減りましたし、落ち着いて出店者さんの様子を観察できるようになりました。

考えてみれば、やってみるということには失敗は付きものです。

いや、失敗ですらないのかもしれません。「思い通りにならない結果があるだけで失敗ではないのです」という言葉も見つけました。やってみたけれど思った通りではなかっただけで、失敗だと思う必要はないということです。

全ては経験です。経験値を加えることが挑戦の最大の果実です。そして、その経験を踏まえて次は違う場所ややり方に変えることもその人の大切な判断なのだと思います。

ですので挑戦を応援するならば、上手くいくように事前にフォローするという以上に、やってみたあとのフォローの方が意外と本質的かもしれませんね。

まだまだ修行は続きますが、人の挑戦を本当の意味で応援できる人間になりたいと願っています。

一気に若返り!マルシェに子ども達が参加する意義について

合同会社ふくわらいの木村です。しばらくお休みしていたブログを再び書くことにしました。日々仕事をさせていただく中で感じた事を綴っていきます。

マルシェの狙いは顧客の若返り

さて、今回は弊社が地元の地域の商店街で月1回開催しているマルシェの話です。マルシェは横浜市鶴見区のレアールつくの商店街の一角で開催しています。

2017年から始めたマルシェは5年目になりました。最初の3年は出店者は私達1組だけでマルシェと名乗るのが恥ずかしいレベルでした。途中から地元のハンドメイド作家らが加わり出店者も10組程度になりました。マルシェについてはこちらをご覧ください。

このマルシェの大きな狙いは商店街の顧客の若返りです。

弊社が会場とする商店街は昔ながらの商店街です。それだけに個人店を利用するのはシニア層が多いですが、このままでは衰退してしまいます。ですので、30代から50代くらいの若い世代の顧客を増やして次に繋げたい、という思いがありました。

ただ、私は商店街全体を動かすような立場でなく一ファンにすぎなかったので、できることとして小さなマルシェを開催していきました。

子どもたちに提供できる価値

5年経過して、出店者が狙い通りの年齢層になっているだけではなく、最近は数人の小学生が子ども店員としてお手伝いしてくれるようになりました。一気に若返り!彼らは10、20年後のお客さんでしょうか。

小学生達は数時間売り子として販売を手伝い、残りはゲームコーナーで遊んだり、アクセサリーやお菓子を買ったり、ギターがあればギターを習ったり。半分お手伝いで半分遊びです。

これができるのは、そばで見守る大人たちがいるからです。出店者もお客様も地域に住む住民が多い地域密着のイベントだからこそですし、大人たちも半分は商売、半分は交流が目的で参加している場だからです。

その様子を観察していて、子どもにマルシェが複数の価値を提供できることを発見しました。

①普段できない販売体験をする。

②地域に住む学校や家では出会わない大人に出会う。

③売っている商品の背景を知る。

さらに、参加した子ども達は、先生の導きで自分たちもマルシェを盛り上げようと貢献意欲を高めてくれています。ただのお客さんではなく、一緒に盛り上げる立場に視点に置くことで学びを深めてくれています。

大人の視点からみて良いこと

一方、大人達にも良いことが多いです。

人生の中年期の発達課題の一つは世代を継承していくことだと言われています。それは子育てのみならず、仕事や地域の後輩を育てることや、何かを形にして次世代に伝えていくことです。マルシェに参加する大人たちもこの場を通して地域の子どもたちと接点をもつ機会ができ経験や知識を伝えることで、振り返りやブラッシュアップにつながります。

さらに賑わいが生まれ立ち寄る人が増え、ブースの売上にも具体的に貢献しています。

ただ、子どもが参加することでコーディネートする手間が増えることは否めません。しかし、その役割も大学生ボランティアに手伝ってもらったことで好循環が生まれました。

考えてみれば子ども達こそ未来の街の顧客。いつか、ポジティブな感覚でここで過ごした時間を思い出してくれるように。

子ども店員の試みを今後も深めていきたいと思います。

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