これまでご縁のあった福島の自治体の商品をマルシェで販売してきたのですが、これからは地域を限定しないでご縁のあった商品を販売していきます。そこで改めて食品に関わる際の屋号を「福笑いの食卓」と名づけてロゴマークを作りました。
正直、食品はどこでも買える時代です。ここ10年くらいで素敵なECサイトも増えました。それに食品の小売は一般的に管理が大変。利ざやは少ないです。
だから、わざわざ食品販売をやり続ける理由はなんだろうと自問自答してきました。委託事業として仕事化していれば別なのですが、そうじゃない以上、内側から込み上げる動機がないとやり続けられません。
その動機を考えた結果、結果として以下のような自分の体験を見つめることになりました。
私はもともと食べることが好きではなく無頓着なタイプでした。料理も苦手。食に関わるようになったのは偶然でした。でも仕事として関わるようになり約10年。食べることが何倍も楽しめるようになりました。
その理由は仕事を通じた出会いによってです。周りに料理が上手な方や、美味しいものが好きでたまらないという知り合いが増えました。毎日手を動かし食べものを作る生産者のこだわりや苦労をお聞きし、その土地まで足を運びました。珍しい野菜をあったら買ってきて食べ、郷土料理のレシピを教わったら作ってみました。
こういう出会いが積み重なると、人は変わるのですね。
食べることを好きになるメリットは大きくて一生ものです。食べ物を通して体調管理をしやすくなりました。たくさんのつながりができ、日々楽しく生きていきやすくなりました。
このような体験を振り返りますと、具体的な出会いで人が「食べることが好きになること」は間違いなく価値だと思っています。私は本質的にはそういう出会いをもたらすことをやりたいのです。食品販売は手段の一つです。
だから、このプロジェクトは食べるのが現時点で好きという人よりも、そんなに関心もない人をターゲットにしています。福笑いの食卓を通じて、だんだん元気になっていく。そんなイメージです。そういうターゲットに本当にどうすれば価値を届けられるのか、考え続けていきたいです。
ということで、思い先行で具体的ではありませんが、これからも地道に取り組んでいきたいという意思表明として受け取っていただければ幸いです。
ロゴマーク
商品を紹介するだけでなく、このお店を中心にお客さんと生産者と双方向のやりとりができるようなお店にしたいというコンセプトから、 人と人が繋がり、食卓を囲むイメージとして円を中心に、身近な普段の食卓・食事のイメージとして箸をデザインしました。 また、食卓を囲んで笑いあうなどコミュニケーションが発生している様子を、店名の動きと円の周りの線で表現しました。(デザイン:成川真美)